「天は神の栄光を語る」

- イエスの誕生を知らせた星 -

導入

マタイが書いた福音書(マタ 2:1-12)によれば、ある星がメシア、つまり救い主の誕生を知らせたとのことです。昔から、この星について、多くの人々が不思議の念にかられてきました。しかし、いくら考えても、いろいろな仮説をつくっても、納得できるような答えが出ませんでした。ところが、日に日に発展する天文学と、コンピュータの力を合わせた結果、この星が何であったかということが分かっただけではなく、わたしたちは自分の目でこの星を見ることが可能なものになったのです。この記事では、Frederick A. Larson博士の研究の結果を短く紹介したいと思います。なお、イエスの誕生を知らせた星についてもっと詳しく知りたい方には、 http://www.bethlehemstar.net/ に発表されているFrederick A. Larson博士自身の記事(英語)を読むことをお勧めします。

星に関する聖書の教え

イエスの誕生を知らせた星について語る前に、まず、誤解をさけるために、星についての聖書の教えを理解しなければなりません。

● 聖書は、明確に星占いを罪として定め、星がわたしたちの人生に何か影響を及ばすことが出来るかのように、

  それらにおいて自分の運命を探したりすることは、偶像礼拝として、それを厳しく禁じています。

「太陽の輝き、満ち欠ける月を仰いでひそかに心を迷わせ/口づけを投げたことは、決してない。もしあるというならこれもまた、裁かれるべき罪である。天にいます神を否んだことになるのだから。」ヨブ 31:26-28

「助言が多すぎて、お前は弱ってしまった。天にしるしを見る者、星によって占う者/新月によってお前の運命を告げる者などを/立ち向かわせ、お前を救わせてみよ。見よ、彼らはわらにすぎず、火が彼らを焼き尽くし/炎の力から自分の命を救い出しえない。」イザ 47:13-14

「また目を上げて天を仰ぎ、太陽、月、星といった天の万象を見て、これらに惑わされ、ひれ伏し仕えてはならない。それらは、あなたの神、主が天の下にいるすべての民に分け与えられたものである。」申4:19「あなたの神、主が与えられるどこかの町で、あなたの中に、男にせよ女にせよ、あなたの神、主が悪と見なされることを行って、契約を破り、他の神々に仕え、その神々や太陽、月、天の万象などわたしが命じたことのないものにひれ伏す者がいるならば、その知らせを受け、それを聞いたときには、よく調べなさい。もし、それが確かな事実であり、イスラエルの中でこうした、いとうべきことが行われたのであれば、この悪事を行った当の男ないし女を町の門に引き出し、その男ないし女を石で打ちなさい。彼らは死なねばならない。」申 17:2-5

● しかし、神のわざである被造物全体と同じように、星も神様の「メッセンジャー」になることがあるということは認められています。

「世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。」ロマ 1:20

「天は神の栄光を物語り/大空は御手の業を示す。昼は昼に語り伝え/夜は夜に知識を送る。 話すことも、語ることもなく/声は聞こえなくても」詩19:1-4

 「もし宇宙の力と働きに心を打たれたなら、/天地を造られた方がどれほど力強い方であるか、/それらを通して知るべきだったのだ。造られたものの偉大さと美しさから推し量り、/それらを造った方を認めるはずなのだから。」知 13:4-5

 「神が禁じられれば太陽は昇らず/星もまた、封じ込められる。神は自ら天を広げ、海の高波を踏み砕かれる。神は北斗やオリオンを/すばるや、南の星座を造られた。」ヨブ 9:7-9

 「わたしはあなたを滅ぼす時、空をおおい、星を暗くし、雲で日をおおい、月に光を放たせない。わたしは空の輝く光を、ことごとくあなたの上に暗くし、あなたの国をやみとすると/主なる神は言う。」エゼ 32:7-8

「すばるの鎖を引き締め/オリオンの綱を緩めることがお前にできるか。時がくれば銀河を繰り出し/大熊を子熊と共に導き出すことができるか。天の法則を知り/その支配を地上に及ぼす者はお前か。」ヨブ 38:31-33

「目を高く上げ、誰が天の万象を創造したかを見よ。それらを数えて、引き出された方/それぞれの名を呼ばれる方の/力の強さ、激しい勢いから逃れうるものはない。」イザ 40:26

「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。」ルカ 21:25

イエスの誕生を知らせた星

「イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。『ユダの地、ベツレヘムよ、/お前はユダの指導者たちの中で/決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、/わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。学者たちはその星を見て喜びにあふれた。家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。」マタ 2:1-12

この文書から「イエスの誕生を知らせた星」についていくつかのことが分かります。

1.誕生を示すものであった

2.王の身分を示すものであった

3.ユダヤの民族と関係があった

4.他の星と同じように東に昇った

5.占星術の学者の知っている時間に現れた

6.ヘロデは、星が現れたことを知らなかった

7.星はある期間、現れつづけた

8.占星術の学者は、南に向かってエルサレムへ旅していたとき、その先にあった

9.ベツレヘムの上に止まった

この情報は、イエスの誕生を知らせた星を探すに当たって、大事なヒントになります。しかし、それはまた、何かの星をイエスの誕生を知らせた星として認めるために、この星が、果たさなければならない条件にもなるわけです。

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