年間第12水曜日 (マタ7,15-20)

「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。あなたがたは、その実で彼らを見分ける。」マタ7,15-16

   預言者は、未来を予想する人ではなく、人間の生き方を正すように、また、創造主である神が定めた道を示すように、神から預かった言葉を宣べ伝える人なのです。形が違っても、昔と同じように現在も、偽預言者、つまり、人間を真の幸福へと導く本当に正しい道を示す神の言葉ではなく、自分の利益のみを求めて、自分自身の言葉、多くの人に受け入れられやすい言葉、甘い言葉を述べる人が非常に大勢いますので、昔と同じように警戒する必要があるのです。

私たちは、神の言葉そのものであるイエスとの交わりを深めることによって、偽預言者に騙されることなく、いつも正しい道を歩むことによって、多くの人のために、真の幸福に導く道を示す道しるべになることができますように祈りましょう。

いつくしみ深い父よ、
あなたはわたしたちを選び、光の子としてくださいました。
わたしたちが罪のやみに迷うことなく、
いつも真理の光のうちに歩むことができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

年間第12火曜日 (マタ7,6.12-14)

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」マタ7,12

   他の人に対して悪を行わないことは、良いことですが、そのためには愛は必要ありません。相手のことに関して無関心であっても、自分が相手に悪いことをしなければ、相手から悪いことをされないだろうというような考え方だけで十分でしょう。けれども、イエスによれば、人間らしく生きるためには、それは十分ではありません。必要なのは、自ら進んで人のために善を行うこと、つまり愛に生きることなのです。

私たちは、イエスに倣って、何の計算もせずに、お返しすることのできない人のためにも、私たちに悪を行う人のためにも、善を行い、真の愛を広めることができますように祈りましょう。

年間第12月曜日 (マタ7,1-5)

「兄弟に向かって、『あなたの目からおが屑を取らせてください』と、どうして言えようか。自分の目に丸太があるではないか。偽善者よ、まず自分の目から丸太を取り除け。そうすれば、はっきり見えるようになって、兄弟の目からおが屑を取り除くことができる。」マタ7,4-5

   自分の問題をはっきりと認識することやそれを解決することは、辛いことですので、この苦しみを避けるために多くの人々は、自己正当化を試みたり、責任転換したり、自分を自分よりも悪い人と比較したり、他の人を批判したりします。けれども、そのような努力によって気が少し楽になっても、自分の問題はそのまま残っていますし、場合によって、当初よりも問題は段々と大きくなって、私たちの人生にますます悪い影響を及ぼしていることもあるのです。

私たちは、あらゆる問題を解決する力を持っておられるイエスに信頼して、イエスの無条件の愛に力付けられて、自分の問題から逃げることなく、それを認識して、イエスと共にこの問題の解決に取り組むことができますように祈りましょう。

天地万物を治められる神よ、
あなたの民の祈りをいつくしみをもって聞き入れ、
世界に平和への道を示してください。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。