年間第11月曜日 (マタ5,38-42)

「わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。」マタ5,39

   復讐する人は悪を止めるのではなく、悪を増やすだけです。悪が悪を生み出すという悪循環を止めるためには、ゆるすことしかありません。加害者をゆるすことは、復讐や他の不正を放棄することですが、それは決して不正や暴力、または他の悪に対して受身的な態度をとることとか、それを許可することではありません。それは、悪を止めるために不正な手段を用いないことを決心し、加害者が悪の道を離れるように、できる限りの善を行う努力をすることなのです。

私たちは、イエス・キリストに倣って、私たちを傷付けたすべての人をゆるすことができますように。そして、「悪に負けることなく、善をもって悪に」(ロマ12,21)打ち勝つことができますように祈りましょう。

全能永遠の神よ、
あなたはパドアの聖アントニオを選び、
すぐれた説教師、
困難な時の助け手としてくださいました。
わたしたちが聖人の教えと模範に従い、
いつもあなたの支えを見いだすことができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

年間第10土曜日 (マタ5,33-37)

「あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」マタ5,37

   人間は、他の人をだまして利用するために、ときに、自分の過ちや悪事、または、他の醜いところを隠すために、嘘をつくことがあります。相手を守るためとか、心配させないため、悲しませないために嘘をつくこともあります。けれども、どんな動機や目的であっても、嘘はいつも悪いものなのです。なぜなら、正しい人間関係は、真実においてだけ、たとえそれが、非常に苦しい真実であっても、真実においてだけ発展するものであるからです。

私たちが恥ずかしくて隠したいものを含めて、すべてを知っていても私たちを愛しておられ、人間の過ちや悪事から善を引き出す力を持っておられるイエス・キリストに信頼して、自分に対しても他の人に対しても、何よりもキリストに対して正直に生き、イエス・キリストとの、また、他のすべての人との関係を正し、深めることができますように祈りましょう。

聖なる父よ、
あなたをいつも敬い、愛する心をお与えください。
あなたを愛して生きる者は見捨てられることがないからです。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

 

6月18日 キリストの聖体A年 (ヨハ6,51-58)

「わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、いつもわたしの内におり、わたしもまたいつもその人の内にいる。」ヨハ6,56

神はイエス・キリストにおいて、ご自身を全ての人の手に渡してくださいました。それは一人ひとりの人が、イエス・キリストを受け入れることによって神を受け入れるためであり、イエス・キリストに自分自身をささげることによって、神に自分自身を与えるためなのです。このように、互いに与え合い、受け入れ合うことによって、人と神が結び付き、最終的に両者が一体となるためです。この一致こそが永遠の命であり、完全な幸福の状態なのです。

ミサの時、聖体拝領することによって、私たちはイエス・キリストを受け入れます。同時に、イエスに従いイエスに倣って生きることによって、自分自身をイエスにささげるという洗礼の約束を更新します。ミサの時に受け入れたイエス・キリストを、日常生活においてどのように扱っていますか。イエスが自分の生活の一番大事な方になって、生活の中心となっているのでしょうか。イエスに従い自分自身をイエスにささげるという約束を、どのように果たしていますか。

ミサに限らず日常生活の中でも続けられているイエス・キリストとの交わりによって、イエスへの愛が深まり、イエスとの一致が私たちの内で深まっていきますように祈りましょう。

恵み豊かな父よ、御子キリストは、
その死を記念するとうとい秘跡を教会に残してくださいました。
主のからだを受け、救いの力にあずかるわたしたちが、
主の死を告げ知らせることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。