年間第10金曜日 (マタ5,27-32)

「あなたがたも聞いているとおり、『姦淫するな』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。」マタ5,27-28

   人間には、他の人の善のために、自分のすべてをささげ、自分自身を犠牲にする権利があります。それこそ最高の愛の実践なのです。しかし、人間には、自分の利益のために他の人を利用したり、犠牲にしたりする権利はありませんし、そのような行いは愛と正反対のもので、他人に害を与えるだけではなく、最終的に本人にも害をもたらすものなのです。

私たちはイエス・キリストに倣って、他の人のために生きることによって人間として成長し、キリストのように完成されますように祈りましょう。

すべてを治められる神よ、
あなたに祈り求める民を顧み、
尽きることのないいつくしみを注いでください。
あなたの似姿に造られた人々が救いの恵みを受け、
新しいいのちのうちに歩むことができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

年間第10木曜日 (マタ5,20-26)

「あなたが祭壇に供え物を献げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰って来て、供え物を献げなさい。」マタ5,23

   負わされた不正に対して復讐する、つまり、悪に悪を返すという悪循環を破るために、被害者側からの無条件のゆるしが必要ですが、加害者が自分の悪事を認めたうえで、被害者に謝ることは、このゆるしの促進につながるでしょう。

私たちは、どんな理由であっても誰かに対して不正を行うことがあれば、自己を正当化したりするのではなく、イエスの教えに従って反省して、私たちが傷つけた人に素直に謝ることができますように祈りましょう。

全能永遠の神よ、
あなたはパドアの聖アントニオを選び、
すぐれた説教師、困難な時の助け手としてくださいました。
わたしたちが聖人の教えと模範に従い、
いつもあなたの支えを見いだすことができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
ひとり子を与えるほど世を愛された父よ、
あなたは愛のおきてによって、
すべてを完成に導いてくださいます。
わたしたちが互いに愛し合うことによって、
人々にあなたの愛をあかしすることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

 

 

待降節第1金曜日  (マタ9,27-31)

「イエスが家に入ると、盲人たちがそばに寄って来たので、『わたしにできると信じるのか』と言われた。二人は、『はい、主よ』と言った。そこで、イエスが二人の目に触り、『あなたがたの信じているとおりになるように』と言われると、二人は目が見えるようになった。」マタ9,28-30

イエスを信じると言っている人々の中で、皆が本当にイエスを信じているとは限りません。私たちが本当にイエスを信じているかどうかということが分かるためには、語っている言葉ではなく、私たちの生き方や、この生き方が結ぶ実を見る必要があるのです。

私たちは心を開いて、イエスご自身とその働きを受け入れることによって、イエスが歩んだ道を歩み、イエスご自身が生きていたのと同じように生きることができますように祈りましょう。

神よ、力を奮い起こして来てください。
犯した罪のため、苦しみあえぐわたしたちを救い、
解放の恵みをお与えください。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。