復活節第7土曜日 (ヨハ21,20-25)

「イエスのなさったことは、このほかにも、まだたくさんある。わたしは思う。その一つ一つを書くならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう。」ヨハ21,25

   イエス・キリストが洗礼を受けられてから、十字架上で亡くなられた時まで、わずか3年と数ヶ月の間に活動をされただけなのですから、福音記者聖ヨハネは、その時のイエスがなさったことをすべて記録しようと思ったならば、十分にできたはずです。けれどもヨハネは、実際にそれだけではなく、復活された後にも働き続けておられるイエスがなさることと、その意義も伝えようとしたので、確かにそれらすべてを書きとめることは不可能だということになるわけです。

私たちは心を開いて、生きておられるイエスに従い、ペトロとヨハネのように、与えられた使命を果たすことによって、イエスの働きの素晴らしさと偉大さを他の人々に現すことができますように祈りましょう。

全能の父よ。
復活節を通して、
御子イエスの受難と栄光の神秘を祝ったわたしたちが、
日々の生活の中で、
その喜びに生きることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

6月4日 聖霊降臨の主日A年 (ヨハ20,19-23)

「人々は驚き怪しんで言った。『話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。どうして私たちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。』」使2,7-8

バベルの塔の物語(創11,1-9)が教えている通り、人類が神を無視して、自分の力にだけ頼って幸せになろうとしている時、段々と分裂して、互いに誤解したり争ったりして、結果的に皆が不幸になるのです。

聖霊降臨は、バベルの塔の物語が描いている人間の働きと正反対の結果をもたらす出来事です。元々互いに理解していなかった人たちは、聖霊の働きによって、互いに理解するようになり、キリストを中心とする共同体を作り、一緒に力を合わせて神のわざに協力することによって、創造主である神が求めている一致に向かって歩むようになりました。神における人類の一致こそ、神が最初から求めていることであり、すべての人にとって最高の幸福の状態なのです。聖霊降臨の日に生まれた教会は、全人類をこの目的に導く使命を与えられています。

洗礼の時に聖霊を与えられた私たち一人ひとりが、聖霊の導きに忠実に従い、イエス・キリストと同じように神の愛を示すことによって、多くの人々を神のもとに引き寄せることができますように祈りましょう。

すべての人の父である神よ、
きょう祝う聖霊降臨の神秘によって、
あなたは諸国の民を一つの聖なる教会に集めてくださいます。
聖霊を世界にあまねく注いでください。
教会の誕生に当たって行われた宣教の働きが、
今も信じる民を通して続けられ、
豊かな実りをもたらしますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

復活節第7金曜日 (ヨハ21,15-19)

「イエスは言われた。『わたしの羊を飼いなさい。はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。』」ヨハ21,17-18

イエスに対するペトロの愛がまだ未成熟であったときに、ペトロは自分の欲望や恐れなどのような感情に左右されていて、イエスに忠実に従いたいと望んでも、従うことができませんでした。ペトロの愛が成熟したとき、ペトロは自由になって、やっと自分の心の望み通りに、イエスに最後まで忠実に従うことができるようになったのです。

私たちはペトロに倣って、失敗しながらもイエスから与えられた使命を力の許す限り果たすことによって、愛において成長し、一層忠実にイエスに従うことができますように祈りましょう。

永遠の父よ、
あなたは、御子キリストの昇天の後、
約束された聖霊を送って、
永遠のいのちの門を開いてくださいました。
この偉大な神秘にあずかるわたしたちが、
信仰を深め、
心をこめてあなたに仕えることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。