復活節第6金曜日 (ヨハ16,20-23a)

「ところで、今はあなたがたも、悲しんでいる。しかし、わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。その喜びをあなたがたから奪い去る者はいない。」ヨハ16,22

成長するためには、慣れてきた考え方や生き方を手放す必要があります。また、場合によっては慣れてきた環境を離れる必要もあります。同時に、慣れていない考え方や生き方を身に着けたり、慣れていないところに進んで赴いたりする必要があります。ですから、成長には、必ず悲しみや不安などのような苦しみが伴うわけです。

私たちはイエスに信頼して、イエスの導きに従って、必要に応じて慣れてきた道を離れて、慣れていない道を歩むことによって、心の中で何よりも強く求めている目的に、到達することができますように祈りましょう。

いつくしみ深い父よ、
御ひとり子の奉献によって約束された世界の救いを、
福音宣教を通して実現させてください。
キリストのことばを受け入れて、
すべての人が神の子どもとなりますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

年間第29土曜日 (ルカ13,1-9)

「イエスはお答えになった。『そのガリラヤ人たちがそのような災難に遭ったのは、ほかのどのガリラヤ人よりも罪深い者だったからだと思うのか。決してそうではない。言っておくが、あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる。』」ルカ13,2-3

殆どの人は子どもの時から、権力者、例えば両親とか、先生や上長、また、支配者たちの言うことを聞かないと、罰せられるというような体験をしているのではないかと思います。おそらくそのために、非常に多くの人は、神が他の権力者と同じように、ご自分の言葉に聞き従わない人を罰すると思うのでしょうが、そんなことはありません。

神はいつも、すべての人々に正しい道、つまり愛と命へと導く道を示し、この道にすべての人を招いてくださいます。神の導きと招きを無視するのは、死へと導く不正の道を選ぶことになりますので、このような選択をした人は、回心しなければ、つまり最後までこの道を歩むならば、滅びるわけです。けれども、その結末は罰ではなく、選択の結果なのです。

滅びへと導く不正の道を歩んでいる人々が、なるべく早く自分の選択の結果を自覚して、愛と命へと導く正しい道を歩むようになりますように祈りましょう。

全能の神よ、
あなたの支配に逆らう悪の力を滅ぼしてください。
罪から解放されたわたしたちがあなたの国を待ち望み、
正義を行う者となることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

復活節第6木曜日 (ヨハ16,16-20)

「はっきり言っておく。あなたがたは泣いて悲嘆に暮れるが、世は喜ぶ。あなたがたは悲しむが、その悲しみは喜びに変わる。」ヨハ16,20

人間が誰かを愛するようになると、相手の苦しみが自分の苦しみになります。また、この人と一緒にいることができないとか、話をすることができないというようなことも苦しみをもたらします。このような、愛に伴う苦しみを避けるために、愛そのものを諦める人が大勢いるようですが、苦しみの中にも愛にとどまる人の愛だけが完成されるのです。

愛によってイエスと結ばれた私たちは、どんな状況においてもこの愛に忠実に生きることができますように。そして、私たちの愛が完成され、この世が知らない喜びの内に、イエスと共に永遠に生きることができますように祈りましょう。

全能の神よ、
救いの恵みにあずかったあなたの民を顧みてください。
主の復活を喜び、
いつも感謝のうちに生きることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。