復活節第4土曜日 (ヨハ14,7-14)

 「イエスは言われた。『フィリポ、こんなに長い間一緒にいるのに、わたしが分かっていないのか。わたしを見た者は、父を見たのだ。なぜ、「わたしたちに御父をお示しください」と言うのか。わたしが父の内におり、父がわたしの内におられることを、信じないのか。わたしがあなたがたに言う言葉は、自分から話しているのではない。わたしの内におられる父が、その業を行っておられるのである。』」ヨハ14,9-11

  イエスは、ご自身が仰っているように、父である神と一体となっていますので、イエスを見ることは神を見ること、イエスの言葉を聞くのは神の言葉を聞くこと、イエスを知ること、つまりイエスと繋がることは、神ご自身と繋がることになるわけです。

私たちは、イエスの言葉に聞き従い、イエスと共に生きることによって、イエスとの絆をますます強めることができますように祈りながら、私たちの言葉と行いをとおして、イエスの愛、イエスご自身をますます正確に現すことができますように祈りましょう。

全能永遠の神よ、
御子イエズスの死と復活の恵みを
わたしたちのうちに実らせてください。
洗礼によって新たに生まれたわたしたちが、
生活の中で信仰のあかしを立て、
永遠の喜びを受けることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

 

年間第23水曜日 (ルカ6,20-26)

「イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。『貧しい人々は、幸いである、/神の国はあなたがたのものである。・・・しかし、富んでいるあなたがたは、不幸である、/あなたがたはもう慰めを受けている。』」ルカ6,20. 24

多くの人の考えに逆らって、イエスが教えてくださる通りに、人間が自然に避けようとするいろいろな苦しみは幸福への道になり得るし、人間が自然に求めているいろいろな喜びや楽しみは、幸福を妨げるものになり得るのです。従って、苦しみは、幸福を不可能にする意味での絶対的な悪ではないので、どうしても避けるべきものでもないし、喜びや楽しみは、幸福への唯一の道という意味での絶対的な善でもないので、どうしても追求しなければならないようなものではないのです。

私たちは、自分の思いや望みではなく、最高の幸福の唯一の源であり、その与え主である神の望みに従って生きることによって、神との交わりを深めることができるように祈りましょう。

全能永遠の、神である父よ、
わたしたちの行いが、
いつもみ旨にかなうよう導いてください。
御子キリストのうちにあって、
豊かな実りを結ぶことができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

復活節第5主日A年 (ヨハ14,1-12)

「心を騒がせるな。神を信じなさい。そして、わたしをも信じなさい。」ヨハ14,1

おそらく、私たちは自分の心の奥深いところを正直に見つめることができるならば、そこにはいろいろな恐れ、不安、悩み、わずらいなどのようなものを見出すのではないかと思います。その内には、私たちが過去に行った悪や、現在の私たちの悪いところがもたらす恐れや悩みがあり、また、未来に体験するかもしれない損害、病気や他の苦しみ、あるいは、必ず訪れてくる死に対する不安やわずらいもあるはずです。

そのような恐れ、不安、悩みやわずらいは、大きな苦しみですので、それを無くしたいと望むこと、また、実際にそれを無くするためにいろいろと試みるのは、当然です。けれども、その試みが一時的に成功したとしても、この恐れ、不安、悩み、わずらいは、必ず舞い戻ってくるだけではなく、大きくなることさえもあるのではないでしょうか。

そんな現実に生きている私たちのところにイエス・キリストが来て、「心を騒がせるな」と呼びかけて、私たちをこのような苦しみから解放することを約束してくださいます。そして、この約束を実現するために、イエスは私たちにご自分の愛を与えてくださるのです。

イエスは、誰よりも私たちが過去に行った悪や現在の私たちの悪いところ、それから、未来に行う悪を知っておられるにも関わらず、誰よりも私たちを強く愛しています。私たちのためにご自分の命を与えるほど愛しています。イエスの復活を思い出すと、イエスの愛は、私たちの罪、私たちの中にある悪よりも強いものであるだけではなく、死よりも強いものであるということも分かります。ですから、イエスの愛を受け入れ、それを自分の最も大切な宝物にするならば、私たちは、あらゆる恐れ、不安、悩み、わずらいから解放されます。そして、イエスご自身と同じように、自分の心の最も深い望みに従って、愛に生きることができるようになるのです。

聖なる父よ、
あなたは、キリストによってわたしたちをあがない、
神の子どもとしてくださいます。
あなたの愛を受けた民を顧み、
御子を信じる人々に、
まことの自由と永遠の喜びをお与えください。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。