典礼暦(教会暦)

「聖なる教会は、一年を通して,一定の日に、キリストの救いのわざを想起して,これを祝う。毎週、教会は主日と呼ばれる日に、主の復活の記念を行い、また、年に一度、復活祭にはもっとも盛大な祭儀を行って、主の幸いな受難とあわせて復活を祝い続ける。さらに、教会は一年を周期としてキリストの神秘全体を展開し、聖人たちの誕生日(帰天の日)を記念する。」(典礼暦年に関する一般原則1)

待降節

 「待降節は二重の特質をもつ。それはまず、神の子の第一の来臨を追憶する降誕の祭典のための準備期間であり、また同時に、その追憶を通して、終末におけるキリストの第二の来臨の待望へと心を向ける期間でもある。この二つの理由から、待降節は愛と喜びに包まれた待望の時であることが明らかになってくる。」(典礼暦年と典礼暦に関する一般原則39)

降誕節

例年の過越の神秘の祭儀に次いで教会が行ってきた最古の祭儀は、主の降誕の記念と、主の初期の公現の追憶である。これは、降誕節中に行われる。

降誕節は、主の降誕の「前晩の祈り」に始まり、主の公現後、すなわち、1月6日の直後の主日まで続く。

主の降誕の前晩のミサの式文は、12月24日の夕刻、「前晩の祈り」の前、または、その後に行われるミサに用いる。主の降誕の日には、ローマ古来の伝統に従って、夜半、早朝、日中の三つのミサを行うことができる。(典礼暦年と典礼暦に関する一般原則32-34)

四旬節

四旬節は、復活の祭儀を準備するために設けられている。四旬節の典礼によって、洗礼志願者はキリスト教入信の諸段階を通して、また、信者はすでに受けた洗礼の記念と償いのわざを通して、過越の神秘の祭儀に備えるのである。

四旬節は、灰の水曜日に始まり、主の晩さんの夕べのミサの前まで続く。四旬節の初めから復活徹夜祭まで「アレルヤ」は唱えない。

四旬節の初めにあたる水曜日は、どこでも断食の日とされ、その日に灰の式が行われる。

四旬節の主日は、四旬節第1、第2、第3、第4、第5主日と呼ぶ。聖週間の始まる第6の主日は、「受難の主日(枝の主日)」という。

聖週間は、救い主キリストのエルサレム入城に始まる受難の追憶に向けられている。聖週間の木曜日の朝、司教は、その司祭団と共同司式ミサを行って油を祝福し、香油を聖別する。(典礼暦年と典礼暦に関する一般原則27-31)

復活節

22 復活の主日から聖霊降臨の主日に至るまでの50日間は、一つの祝日として、また、より適切には「大いなる主日」として、歓喜に満ちて祝われる。
「アレルヤ」がとくに歌われるのは、この季節である。

23 この季節の主日は復活節主日とし、復活の主日に引き続き、復活節第2、第3、第4、第5、第6、第7主日と名づける。この50日間の聖節は、聖霊降臨の主日をもって終了する。

24 復活節の最初の8日間は、「主の復活の8日間」と呼ばれ、主の祭日のように祝われる。

25 復活後40日目には、主の昇天を祝う。それが守るべき祭日でないため、復活節第7主日に移された場合は別である。

26 主の昇天後から聖霊降臨の前日の土曜日までの週日は、聖霊を迎える準備にあてられる。(典礼暦年と典礼暦に関する一般原則22-26)

年間

「固有な特質を備えた諸節を除く場合、キリストの神秘の種々の面を取り立てて祝わない週間が、一年の周期の中で、33ないし、34週残ることとなる。こういう週間、また、とりわけ主日は、むしろキリストの神秘全体を追憶するものである。この期間は「年間」という名で呼ぶ。」

「年間は、1月6日直後の主日の次にくる月曜日に始まり、四旬節前の火曜日まで続く。その後、年間はまたあらためて、聖霊降臨の主日の次にくる月曜日に始まり、待降節第1主日の「前晩の祈り」の前で完了する。「教会の祈り」とミサ典礼書に記載されているこの期間の主日と週日用典礼式文は、この規則に準じて用いる。」「典礼暦年と典礼暦に関する一般原則43-44」

祭祝日

「キリストの神秘を一年の周期をもって祝う際、教会は、幸いな神の母マリアをも特別の愛をもって敬い、また、信者の信心のために、殉教者やその他の聖人を追憶する。」

「普遍的で重要な意義をもつ聖人は、全教会が義務としてこれを祝う。その他の聖人は、暦の中に編入して任意に祝うものとする。もしくは、地方教会、国、修道会で祝うこととする。」(典礼暦年と典礼暦に関する一般原則8-9)

 

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