主の降誕第7日 (ヨハ1,1-18)

「言は、自分の民のところへ来たが、民は受け入れなかった。しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた。」ヨハ1,11

宇宙万物の創造主である無限の神が、どのように被造物の一部である有限の人間になったかを理解することができなくても、何のためにそうなさったかということなら分かります。それは、福音記者聖ヨハネが教えているように、人間が神の子になるために、つまり神の愛と神の内面的な命とその神性という本質にあずかるためなのです。

ますます多くの人々が、イエス・キリストを信じ、受け入れることによって、神の子になるという人間の最高の可能性を実現し、人生の目的とそれ以上にない至福に達することができますように祈りましょう。

永遠の父よ、
あなたは大となられた御子を通して、
神に向かって歩む人のまことの姿を示してくださいました。
救い主キリストのいのちに、
すべての人があずかることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

待降節第2土曜日 (マタ17,10-13)

「言っておくが、エリヤは既に来たのだ。人々は彼を認めず、好きなようにあしらったのである。人の子も、そのように人々から苦しめられることになる。」マタ17,12

ヘロデ王が、罪深い自分の生き方を守るために、救い主の到来を告げた洗礼者ヨハネを殺したように、イスラエルの指導者たちは、自分の権力や特権を守るために、つまり不正と罪に満ちた生き方を保つために、イエス・キリストという救い主ご自身を殺してしまったのです。

自分の罪を認めることや生き方を改めることは辛くても、私たち自身とますます多くの人が、本当に幸せに生きるためには他の道はないという事実を認めて、イエスの愛の力に支えられながら、悔い改めて、正しい道を歩むことができますように祈りましょう。

聖なる父よ、あなたは十字架の聖ヨハネを選び、
自分を全く捨て、
十字架の愛に生きる者としてくださいました。
わたしたちも聖人の示した道を歩み、
永遠にあなたの栄光を仰ぎ見ることができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
全能の神よ、
あなたの栄光を、昇る太陽のように
わたしたちの中に輝かせてください。
御ひとり子の降誕によって夜のやみが打ち払われ、
わたしたちが光の子であることが明らかにされますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。

12月17日 待降節第3主日B年 ヨハ1,6-8.19-28

「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。 どんなことにも感謝しなさい。 これこそ、キリスト・イエスにおいて、 神があなたがたに望んでおられることです。」1テサ5,16-18

「あなたは、どのような人ですか」と問われたら、どのように答えますか。恐らく、どこで、また、誰に質問されるかによって、その答えが変わってくるのではないかと思います。普段、人々は場所や団体によって異なる役割を果たしていますので、自分自身の本性を知らない人は、そのような役割や人の期待に振り回されて、尋ねる人によって異なる答えを与えるだけではなく、どこに、また、誰と一緒にいるかによっても異なる生き方をしていて、結局、自分らしく生きることができないのです。

殆どの人と違って、洗礼者ヨハネは自分自身の本性をよく知っていましたので、どんな状況においても、たとえそれによって人から誉れを受けることになっても、はたまた、支配者の怒りを招いて命を失うことになっても、その本性に忠実に生きていました。洗礼者ヨハネは、そのような生き方をしていたために、世の光である方、また、世の救い主である方を見極めることができましたし、その方を世の光、世の救い主として、皆に指し示して、神から与えられた使命を果たすことができたがゆえに、彼の人生は全うされたのです。

福音記者ヨハネが教えています。「光が世に来たのに、人々はその行いが悪いので、光よりも闇の方を好んだ。悪を行う者は皆、光を憎み、その行いが明るみに出されるのを恐れて、光の方に来ないからである」(ヨハ3,19-20)と。世の光として来られたイエス・キリストは、私たちに、一人ひとりの中にある愛すべき素晴らしいところや、自分の本性を知る可能性と同時に、この本性に沿って自分らしく生きる可能性をも与えてくださっています。けれども、この可能性を実現するためには、まず自分の中にある醜いところを、また、悪や罪を認める勇気が必要です。神の無条件の愛こそがこの勇気の源ですので、神の愛を知る恵みと、この愛を信頼する恵みを祈り求めましょう。

喜びの源である父よ、
御子キリストの誕生を心から待ち望むわたしがちを顧みてください。
喜びのうちに降誕祭を迎え、
この救いの神秘を祝うことができますように。
聖霊の交わりの中で、
あなたとともに世々に生き、支配しておられる御子、
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。