ミサ聖祭のいけにえについて

教皇聖ピオ十世の公教要理・第五章


649
質問:御聖体は秘跡のみとして考えるべきでしょうか。
 答:御聖体は、秘跡であると同時に新約の永遠のいけにえです。イエス・キリストは、司祭の手を通して神にささげるためにこのいけにえを教会に残してくださいました。

650
質問:一般にいけにえとは何ですか。
答:一般にいけにえ(供え物)とは、感覚的なものを神にささげ、人間をはじめすべての物に対する神の最高の支配権を認めるために、それを何らかの形で、破壊することです。

651
質問:新約のいけにえは何と呼ばれますか。
 答:新約のいけにえは、ミサ聖祭と呼ばれます。

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教会の祈り

聖務日課officiumとはローマ・カトリック教会の公的な祈り、ミサとともに重要な典礼として定められている。いわゆる私的な祈りとは区別され、定まった形式を持っている。司教、司祭、修道者に命じられた祈祷の務めである。私的に行うことも可能とされている。教会の祈りoratio ecclesiae、時課の典礼liturugia horarumともいわれる。第二ヴァチカン公会議(1962-65)以後、聖職者だけでなく信徒にも等しく勧められている。現在、「教会の祈り」という呼称を日本では前面に出し、この祈祷本の名称としている。ミサと並ぶ重要な典礼であるが、内容は根本的に異なっている。以上の内容は第二ヴァティカン公会議において最初に発令された「典礼憲章」第4章:聖務日課83~111節(「第2ヴァティカン公会議公文書全集」/南山大学監修/サン・パウロよりp28-29参照)に明記されている。あくまでミサは教会の中心であり、「教会の祈り」はミサの恵みの効果を豊かに受けるための必要な心構えを養い、ミサの優れた準備となるものでもある(教会の祈り総則12参照)。