教会の祈り

聖務日課officiumとはローマ・カトリック教会の公的な祈り、ミサとともに重要な典礼として定められている。いわゆる私的な祈りとは区別され、定まった形式を持っている。司教、司祭、修道者に命じられた祈祷の務めである。私的に行うことも可能とされている。教会の祈りoratio ecclesiae、時課の典礼liturugia horarumともいわれる。第二ヴァチカン公会議(1962-65)以後、聖職者だけでなく信徒にも等しく勧められている。現在、「教会の祈り」という呼称を日本では前面に出し、この祈祷本の名称としている。ミサと並ぶ重要な典礼であるが、内容は根本的に異なっている。以上の内容は第二ヴァティカン公会議において最初に発令された「典礼憲章」第4章:聖務日課83~111節(「第2ヴァティカン公会議公文書全集」/南山大学監修/サン・パウロよりp28-29参照)に明記されている。あくまでミサは教会の中心であり、「教会の祈り」はミサの恵みの効果を豊かに受けるための必要な心構えを養い、ミサの優れた準備となるものでもある(教会の祈り総則12参照)。

 

聖マリアの汚れなきみ心への奉献

聖母マリア、イエスと教会の御母よ、いつも私の心に神のいつくしみ深い愛を注いでくださることを感謝いたします。

自分の弱さと罪深さを意識しながら、私はあなたの前で、洗礼の約束を更新して、罪とサタンと彼のすべてのわざを退け、唯一の主と救い主イエス・キリストを信じることを宣言します。「これはあなたの母です」という十字架上のイエスの遺言に従って、今日、あなたを私の母として女王としてお受けします。

マリア様!イエスのみ心との一致の内に、イエスの愛に力付けられて、私はあなたの汚れなきみ心に自分自身を完全に奉献します。私の体と霊魂、心と意志、記憶と理性、考えと望み、私の命とすべての行動、決断と選択、私の時間、過去、現在、未来、外面的と内面的なもの、その他全てをあなたにお捧げいたします。父のみ旨とイエスの望みの実現、聖霊の喜びと栄光のために、また、兄弟姉妹の霊魂の救いのために、それを自由にお使いください。

これからは、あなたへの愛のゆえに、すべてをあなたと共に、あなたを通して、そしてあなたのために行うことが出来るようにお助けください。私は、自分の力だけでは何も成し遂げることが出来ません。しかし、あなたは、御子イエスのみ心に適うものならば、すべてが出来るのです。ですから、私の心、家族、小教区、故郷、そして、全世界において、神の国を実現してくださるようにお願いいたします。

マリア様、私の母と女王、あなたが私の内に、また私を通して常に働き、愛してくださるようにお願いいたします。アーメン。